一度だけ腕時計をした時期があって、高校入学の時に入学祝で買ってもらった腕時計、身に着けてた。けど、数か月で失くしてしまった。
私は高校は学生寮に入っていた。その高校は9割の学生が寮に入る文化で、しかも寮が学校の中にあったので、24時間学校に閉じ込められるという鬼の青春時代を過ごした。
あの中にいた頃は「懲役3年」と思っていたもの。その表現は間違っていない。
学校も0時間目があって、これは九州の進学校に今でも残るみたいだけど、7:30から授業があった。そして、7時間目までの授業を終わったら、すぐに部活。部活は18:00までしかできず、そこから夕飯食べて、お風呂入って、19:00には自習室に居なきゃいけない。なんか無茶な学校だぜ、と思う。私はあの学校に通わなければ、もうちょっとゆったりした性格になっていたに違いないが。
学校に居続けなければいけないし、寮に帰っても同級生だから、まあ逃げ場がない。もともと集団生活が苦手な私が不適応を起こすのは当然なのだが、実家に逃げ帰るわけにもいかなかったので、必死に耐えてた。耐えてた3年間だった。不適応なのにまじめに学校に通い続けるという、タフ・忍耐力によって生き抜いた記憶しかない。
その中で、腕時計を失くした。あの腕時計どこに行ったんだろう。人の腕時計なんて欲しいか?。雑な学校側の落とし物管理の中で、遺失物として扱われた後に捨てられたのかもしれない、多分。
その後腕時計は買ってもらえる機会もなく、時計は学校の至る所にあったので困らなかった。そこから、腕時計を持たない習慣が身に付き今に至る。スマホの時計もあるし、腕時計の必要なシーンが思いつかない。
しかも、面白いのが手帳も私はちゃんと使ったことがない。どうやってスケジュール管理をしているか??。そうだなぁ、会社においてはグループウェアがあるからそのカレンダー機能に登録をしている。プライベートのことは妻に全部任せてる。後の大事なことは頭で覚えてる。メモとかしたことがない。というよりメモを取って後から反映するみたいな仕事は誰かに任せることにしている。今、私が考え分析し話すこと自体が価値のあることとされる立場にいるので、ひたすら今あるタスクを打ち返しているだけ。あまりスケジュール管理しなくても生きられるようにしている。
あの、高校生の時に腕時計を失くした一件。完全に伏線だったな。私は、腕時計が必要のない人生を歩む。だから腕時計は旅だった、のだきっと(そうでも思わないとくやしい)。