男女分け隔てなく採用して行かないと、人手不足の職場はますます困る。なぜなら、性別を固定した途端に採用対象者が半分に減るから。もうこの理論はこれからも繰り返し主張したいと思うが、Xではなんだか、
① 男性:女性はダメだ
①´ 女性:男性はダメだ
② 全員:だから一緒に異性と働けない
この理論(①⇒②、①´⇒②)が乱れ飛んでいる。
社会を男女隔てなく全員で支えなければいけないのは全員同意と思うが、男性は男性同士で働くのがいい、女性は女性同士で働くのがいい、と言う考え方もある。
同じ職種であっても、男性チームと女性チームを分ける、待遇や役割は同じにする、そんな施策も存在はする。ただ、今の価値観からは逆行するし、少人数の組織ではなかなか実現も難しい。男性二人、女性二人としたら、それぞれに管理者も必要になり、非効率となる。
様々な議論を推察した結果、以下の仮説が生まれた。
A) 案外、男性とうまく仕事できる女性は少ない
B) 案外、女性とうまく仕事できる男性は少ない
同性と接する方が異性と接するより何かと楽という感覚は広く知られていると思うが、意味を展開すると、同性と働く方が楽、につながる。
だから、例えば異性同士で仕事をする時、片方が著しく苦手だと、分断が起こりやすいのではないか。それを前提とすると、マネジメントは仕事上でその組み合わせは極力避けなければいけない。
そして、仮に男性社会で全員が女性とうまくやれない、もしくは女性社会で全員が男性とうまくやれない、なんてことになると、一人飛び込んだ異性が犠牲者となる。
ここまで考えていくと、「男女参画社会だ!」「ジェンダーレス!」とマネージャーが急に叫び、少数の異性を急に入れたりすると、完全に準備不足で大混乱になる。その結果、はじき出されるのは少数の異性の方で、去った後も、悪口が続く・・なんてよくある悪い状況が訪れる。おそらく2度と、異性は入れなくなる。
だから同性で働かせればいい、と言う意見が違うというのは冒頭でお伝えしたとおりだ。準備不足にならないためには、準備が必要だ。準備とは何か。
①会社が女性が働く上での準備ができているか。コンプライアンス通報窓口や女性用更衣室やトイレなど、設備面の不備がないかは事前にチェックすること。
②異性を少数採用する場合は、マネージャーが異性独特の問題を理解し、メンバーと争いにならないように役割や仕事内容を配慮する必要がある。
③少数の異性が根付いて来た時点で、増やす試みをする。ただ、①で投入した女性が教育係として向いているかどうかは別問題なことに気を付けること。女性同士だから大丈夫というのも偏見である。男性でも相性が悪いと喧嘩するのだ。
④特に男女でペアワークさせる場合は、二人きりにならないように気をつける。また周辺に物理的に人がいるなど、安全を優先する。
私が観察していて、「仕事ができる」ということと「異性とうまくやれる」ということは、全く別問題である。だからこそ、仕事ができるメンバーが異性を指導した時に、適性がなく問題を起こしていて、しかし目上なので何も言えない、なんて状況の危険性を感じる。
だからこそ、マネージャーは、仕事ができるから何でも責任を簡単に負わせる、としてはならず、異性と一緒に働くことのリスクを慎重に考え、組織の在り方を決めて、かつモニタリングを常にしていかなければいけない。
この通り、男女が分け隔てなく働く、と言う言葉は全面的に良いように見えつつも、分断や係争を生みやすい。
マネージャーの仕事は、メンバーが働きやすい環境を作り、気持ちよく働いてもらうことである。仕事だから我慢しろ、とメンバーに強いるはマネージャー失格。
男はダメ、女はダメ、が乱れ飛ばないためにも、慎重に事を進める必要があるのだ。