だらだらと都会に住み続けている

過疎化

私の幼少期は田舎での生活であり、基本的な感覚は田舎に置いている。だが、大学に上京して以来、そのまま都会の会社に就職。会社の中で責任と収入を得ていき、結婚して住宅を購入。生活基盤自体が都会にあるので、田舎に戻る選択肢などない。

田舎に悪いイメージは全くない。空気はいつもきれいだ。静かな日々。自然の音に囲まれる。海が近い場所で過ごしたので海の音はいつもそばにいた。夕焼けがきれいだった。海と空は一日の中で色んな表情を見せるし、季節によっても違う。

田舎には娯楽がないと良く言われるが、これだけネットが整っていると、インターネット経由では都会も田舎もない。ゲームもある。リアルイベントがない点については、年に一回旅行でもすれば満たされる。都会に住んでたって毎週イベントに通うわけでもないし、私は特に困らないと思う。それより、都会に比べ自然豊かな環境で日々過ごせるほうが嬉しい、と思う。物価も安いので、暮らすのも都会より難易度は低い。

けれども。選択の自由はない。仕事と生活基盤は成り行きで決まってしまっていて、これを無理やり断ち切って田舎に移すなんて、無理も甚だしい。ITの仕事は都会に集まってしまっているし、田舎でリモートワークをするってのも、どうやって仕事を取るのだ。田舎に行って仕事が途切れてしまったら、それこそ人生詰んでしまう。じゃあ地元で仕事を・・というのがどれだけ難しいことかだけは知っている。なぜなら、それだから都会に来たからだ。都会で仕事にあふれることはほぼない。

都会に今もって集まっている連中が、特に都会が好きなんだとは思わない。単に防衛本能の賜物だ。少なくとも都会に居たら安全。かつ、都会の仕組み自体が働くことを優先し、共働き前提とし、女性が子どもを産むことに負担をかける仕組みなので、全く持って特に意識しなくても少子化方向に流れていく仕組みになっている。

もっと、地方の各都市で大都会と似たような競争体系があり、地方でも勝ち抜けば都会と同じような生活水準が確保されれば地方から出ていく人も減るだろうに、そもそも地方の最低賃金が都会より低くなっている。地方にいることイコール負け、という図式が見える化してしまっている状況で、誰が残るというんだろうか。

地方を盛り上げるためには交通網の整備が重要だと言って、高速道路や新幹線、飛行場などを全国に作りまくった結果、結局田舎から都会に行く片道切符を作っただけじゃなかったか。物理的にではなく経済的・文化的に都会に縛られてしまい田舎に帰れなくなる、この日本の仕組み。ふるさと納税でしばらくの時間稼ぎをしているように思うが、金できっと解決できなくなる。地方から人が消えたら全てが終わる。

もっと、なぜ地方は地方で居られたのか、時代を紐解いたほうがいい。

このままでは、日本は大都会だけの国になる。その原因の一端を私自身が担ってしまっているし、誰も変えようとせず時間だけが過ぎる。多分、完全に定年になり年金が入り・・となって初めて田舎に戻る可能性が生まれる(戻るかは知らないが)。そして田舎には老人ホームばかりとなる。

どうにかならんのか。

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