5年おきに重要かつキレのある経営判断が目立つDeNAを振り返る

IT業界

今回は、DeNA株式会社を特集します。世間一般においてはゲーム大手のイメージが強いのですが、ITに関する経営判断がユニークかつ的を得ていると言うか、スマートな印象があります。どうも5年おきにその傾向が見られるのでご紹介します。

2015年 任天堂との提携

 異色の組み合わせはどんな化学反応を生み出すのか――。ゲーム機大手の任天堂とソーシャルゲーム大手のDeNAは3月17日、業務資本提携の締結を発表した。両社は今後、グローバル市場を対象にスマートデバイス向けのゲームアプリを共同で開発・運営していく。
 提携合意に伴い、任天堂はDeNAの株式10.0%を、DeNAは任天堂の株式1.24%をそれぞれ取得する。また、今年秋の開始を目指し、ゲーム専用機やPC、スマートフォン、タブレットなどさまざまな端末に対応した会員制サービスを共同で開発していく。
 さらに、提携合意に合わせて、任天堂は新ゲーム機プラットフォーム「NX」(開発コードネーム)の開発を進めていることも明らかにした。これら一連の動きは何を目指したものなのか。会見に臨んだ任天堂の岩田聡社長、DeNAの守安功社長と報道陣とのやり取りは以下のとおり。

2021年 AWSへ全面移行

2021 年 5 月 11 日に開催された「AWS Summit Online」。ここに株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)代表取締役会長の南場智子氏が登壇しました。講演のテーマは、同社がオンプレミス環境から約 3 年かけて実施した、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を活用したクラウドへの全面移行についてです。その全容が経営トップによって語られました

2025年 AIにオールイン宣言

 2月5日のAIイベント「DeNA×AI Day」で、AIを活用した効率化により現業の人員を半分に減らし、残る半分を新規事業に充てる目標を発表したDeNAの南場智子代表取締役会長。その方針はビジネスパーソン間で大いに話題になり、今回の経営判断に至った経緯に注目が集まった。

私の印象としては発表タイミングが絶妙で、リスクを踏まえ速すぎず、かといって他の競争相手よりは一番速い、と言う印象です。というのも、任天堂にしろAWSにしろAIにしろ、最終的には社会インフラ並みの評価を受けるほど大ヒットするわけですが、初めから洗練されていたわけではありません。任天堂はSwitch登場の2年前の2015年。当時は3DSは市場を席捲していたもののWii Uは市場で失敗と言われていました。AWSは移行開始が2018年スタート。AWSについてはエンタープライズ企業向けの実績ができた直後ぐらいのタイミングです。AIはこれからと言うタイミングの2025年でのオールイン。

じっくりと相手を見て、イケるとなったら即判断するように見受けられ、かつその相手が任天堂、AWS、AIですから、何ともスマートに尽きるなという感想です。

すごく成長性のある領域に、決めたら集中的に投資するという方法、案外企業として真似するのは難しいものです。というのも、既存の事業があり次の年もやって行かなければいけない中で、新規事業に既存リソースをぶち込むのはリスクも大きいからです。

単に経営判断の鮮やかさだけではなく、そのリスクをマネジメントできる優秀な社員および優秀なパートナーの力も感じますね。やれというのも素晴らしいし、やれといわれてやりきるのも素晴らしい。

一貫したストーリーを感じるのでぜひ、それぞれの記事を通して読んでみてください。この積み重ねが中長期の業績にそのまま反映されてくることでしょう。

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