労働力人口が過去最多なのに、人材不足が起こるワケ

働く

 総務省が31日発表した労働力調査によると、15歳以上の働く意欲がある労働力人口は2024年に6957万人で比較可能な1953年以降過去最多だった。前年比32万人増え、2年連続で最多を更新した。働く高齢者や女性、外国人の増加が大きく、30年に7千万人を超えるという民間予測もある。

この記事を読んで意外に思った読者も多いのでは無かろうか。少子化なら、労働者人口は減少の一途なはずだ。ところがここから5年、増加するという。

最も大事なフレーズはここだ。

「働く高齢者や女性、外国人の増加」

一方で、貴社は採用する時に、どんな人物を想像するだろうか。

「若くて、学歴が良く、出来れば男性で、もちろん日本人、長くフルタイムで安定して働いてくれる人」

つまりは、今増えている労働者は、貴社が取りなくない層なのである。

いや、少なくとも男女で採用基準を差別するのは、男女機会均等法違反ではないか。もっと、多様性を持った人材を取らないと社内の価値観が均一化し、会社の成長を妨げるのではないか。

確かに正論である。採用で差別的な条件を出すのは法律違反である。しかし、内情はどうか。結局は高学歴、男性重視、若さ、を重視するこの世の中である。内心の自由はあるので、「厳正なる審査の結果」なぜか結果は、採りたい人材像に偏るのである。そして、なぜか会社幹部は男性ばかりになる。

理由は分からないのになぜか。これが社会の実情だ。

だから、社会はますます人材不足になる。採りたい人材とどんどん労働者人口の中身が乖離するからだ。

これからは、もっと取りたい人材像を外れた人材を、積極的に採用しないと人が集まらない。

統計がそう言っている。フルタイムにこだわらないこと。高齢者、女性、職種によっては外国人も含めて幅広く採用を考える時代に、否応なしに突入している。

昔の人材像にこだわっている会社は、早晩に立ち行かなくなる。

タイトルとURLをコピーしました