企業として、謝罪を受け入れる際のポイント

世の中

フジテレビのロング会見が話題になっているようだが、結局はスポンサー企業は戻ってきていない。結果としてスポンサー企業は昨日の会見にて納得できなかったということになる。

私もビジネスに関わっていて、謝罪したりされたり、の繰り返しである。全てがうまく行くもんか。うまく行かなかったときに説明を作る必要がある。そのやり方が誤っていれば態度は硬直し、信頼関係は薄れ、最終的には取引打ち切り、最悪は裁判まである。

まずは、第一報のスピードが重要だ。不都合がある知らせを起こったタイミングから程なく相手にお知らせできるか。どんなに上手に事を進めてもだ。知らせなければ隠ぺいと同じである。知らせないことで何も無かったことにしたい。しかし、知らせなかった後、相手に知られてしまったらこれは、なぜ知らせてくれないの、ということになる。問題の大小に関わらず、機敏な情報提供は信頼関係の基盤だ。

次に、第一報連絡後の対応だ。第一報の中では情報把握まではできていないから、できるだけ速やかに正確に把握する。把握することについて客観性を得るために、第三者に対応してもらうこともある。どちらにしろ把握しなければいけない。ここで、第三者が調べるから私たちはわかりません、なんて言うと自主的な把握を放棄することにつながる。速やかさが必要であり、やたら手続きに時間をかけて引き延ばしているように見えると、ますます信頼関係は損なわれる。

後は、把握ができたら、次に再発防止策となる。再発防止がないということはまた起きるということ。反省していないということ。もしくは反省する能力がないと言うことになる。ただ、把握が間違えていると対策も間違える。対策まで議論ができるということは、ほぼ答えは決まっている。淡々と対策を立て実施する段階なので、ここで時間をかけるのもよくない。

このように、①速やかな第一報の実施、②速やかな状況把握の実施、③速やかな再発防止策の実施、と進めていくのが基本だ。

であるから、フジテレビはまず①からして失敗しているので、スポンサーとの信頼関係がまずない。その上で、②の状況把握について、第三者が・・・被害者のために・・・の連呼であり、状況把握できているかどうかがわからない。わからないので、スポンサーもわからない。把握ぐらいしてくれ、というのが本音だろう。把握ができないから対策も打てないのである。

というわけで、全部が失敗しているので、会見を開いた結果、質の悪い記者がかき乱し、経営陣もかわいそう、なんて話になったとしてもスポンサーが「かわいそうだからCM復帰」とはならないわけである。

何が何だかわからん、はスポンサーの正直な気持ちであろう。

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