女性も入れないとこれからの現場はまわらないことへの考察

IT業界

インフラの現場は男性ばっかりだ、という私の感想に派生して、じゃあどうすれば女性を現場に引き込めるの?という思索。たくさんの方のご意見を頂き、見識が広がっている。自分一人で考えても、絶対にバイアスだらけの偏屈な結論しか出てこないからありがたい。

現役インフラエンジニアの方のご意見を聴くのは、現在の状況を把握するのに素晴らしい情報だ。しかし、一つ踏まえないといけないのは、男性の意見の方が多い、ということだ。だって話のスタートが「女性が少ない」なんだから、現役の声は男性に染まるのは当たり前だ。そして男性が、なぜ女性が来ないかを想像するわけだから、実は来ない女性の当事者の声ってわけじゃない。逆に、今働いていらっしゃる女性の声はこれも大事だが、男性中心な組織の中で働ける女性、って属性も実はそんなに多くは市中に存在しない。女性は男性中心の組織に溶け込める女性になれ、じゃなきゃ来るな、ってのは私は危険な意見だと思っている。

男性の思う「女性ってこうなんでしょ」って発想は、正確性に欠けていると思っている。女性に対する偏見を形成している可能性もある。しかし、実は女性側にも当てはまっている方はおり、全否定でもなく全肯定でもなく、決めつけることだけはやめた方がいい。一意見としてだけ心に留めておく。

また、男性側の方に、男性中心の社会の方が仕事しやすい、楽しい、居心地がいいという感覚があるのは、私はもう十年以上見ている。つまり結果としての女性排除、である。40代過ぎたあたりから痛感したが、(私の場合だと)経営幹部まで行くと全員男性。どう考えても女性を入れることに抵抗があるように見える。もし組織に女性を現場に登用していくことを真面目に考えるなら、今の男性中心の組織を構成する男性自体が、抵抗してくるかもしれないから要注意、である。女性が入って来ても、今のノリは変えないぞ、と暗黙にその構成員が態度を示してくるならきっと、女性にとっては非常に働きにくい職場になるはずである。

つまりは、現在仕事していらっしゃる方の様々な意見を聴きながらも、まず行動として行うべきは、男女が均等になっている職場はどんな文化なのかを研究すること。男女構成比のバランスが取れているとして、全員、均一な仕事ってわけじゃないと思う。力仕事は絶対男性の方が有利だし、一方で女性に向いていることもある(男社会にいるせいで具体的にはまだ想像つかないけど)。それぞれの特性に合わせて仕事を割り振って調整しているはずだ。そして組織編制上の工夫、作業ルール、文化、それは共学と男子校ぐらい違うはずだ。

また、男女が一緒に働く上での、ある程度の妥協もあると思っている。男性ばっかりの組織の気楽さ、みたいなものはきっと失われる(私はこれはあまり感じないんだけども、人を見てると)。

外から学び、取り入れて行かないと、きっと現実は変わらないだろう。

入ってくる人が変われ、ではないのだ。

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